導入のポイント
ポケさぽ導入の目的は、外来の待ち時間短縮、患者満足度の向上、看護師の業務負担軽減。
病院機能評価を受審するタイミングも相まって、改善活動に力を入れていたタイミングでポケさぽの導入を推進。
手術・入院が決まったタイミングで外来にてポケさぽをご案内。患者支援センターに来院される前に、入院説明を事前学習することで、病室の選択やアメニティの選択など患者さんの希望の伝達がスムーズに。
お客様情報
みはま病院
病床数:50床 全室個室(観察室2部屋6床を除く)
患者支援センター長 中野様、外来師長 鈴木様、患者支援センター 入退院支援担当看護師 山下様、診療支援部情報管理課 副課長 岩立様
みはま病院
〜今回は、導入後のフォローアップミーティングの最中に、急遽決まった導入事例インタビューをお届けします〜
ポケさぽ利用状況レポートを手元に、お話を伺うことができました。
― 改めて、みはま病院の特徴を教えていただけますか?
みはま病院は、千葉県千葉市美浜区の海浜幕張駅から徒歩圏内にある泌尿器科、慢性腎臓病重症化予防および透析を中心とする腎代替療法の専門施設です。
診療科は、泌尿器科、腎臓内科、糖尿病・代謝内科、人工透析内科、麻酔科です。全身麻酔で手術を受けられる方は、外来で麻酔科医の診察を行っています。
泌尿器科は、排尿障害、腫瘍、前立腺肥大症、尿路結石症の難治症例に積極的に取り組んでおり、手術、前立腺生検数が多いことも特徴です。
泌尿器科の方の在院日数は4~5日ほどでが、腎臓内科の入院については血液・腹膜透析導入もあり2~3週間ほどご入院されるケースが多いです。
腎臓内科、糖尿病・代謝内科では、慢性腎臓病重症化予防に重点をいています。腎代替療法治療選択が必要となる方には、治療選択外来を通してスムーズな透析導入を行っています。
透析治療は、透析の質と量へのこだわり、合併症を予防しお元気に通院、社会復帰して頂くことを目指しています。
― このたび、ポケさぽを導入したきっかけや目的を教えていただけますか?
きっかけは、アイデア豊富な情報管理課の職員が「ポケさぽ」を紹介してくれたことです。また、外来待ち時間が難題となっており、病院長も新しい対策ツールに興味を持っていただけたことで拍車がかかりました。
目的は大きく3つでした。1つは外来の待ち時間を短縮したいこと。もう1つは患者満足度を向上したいこと。最後に、看護師の業務負担の軽減です。
患者支援センターで働くスタッフのみなさん
― 実際に導入してみて、いかがですか?
全体として期待以上です。
ポケさぽのコンテンツは、内容が分かりやすく、語りも視覚もやさしさを感じます。入院、手術を前提とする患者さん、ご家族にとっては単に情報ツールとしての役割ではなく、不安の軽減に繋がっています。そして、ポケさぽは入院説明を行なっているスタッフにとっても説明時間の短縮以上に自らを支えてくれる相方のような存在となっており、気負うことなく対応できています。
また、「ポケさぽ利用状況レポート」は、ほぼタイムリーに患者さんの声を聴くことができ、改善活動に移行できています。エッセンシャルスタッフへのお褒めの言葉を頂いた時には、委託職員との関係性が密になり嬉しくなりました。導入数ヶ月ですが、とても良い効果が出ています。
― ありがとうございます。とても嬉しいです。患者支援センターとして、具体的に感じるところはございますか?
手術・入院が決まった患者さんが、後日、患者支援センターにいらっしゃる際、「ポケさぽで見てきたよ」と言ってくださいます。
ポケさぽで良いと思う点をいくつかお話しします。
1つ目は、入院予定日1週間前に送る設定にしている体温チェックのリマインドです。患者支援センターに来院されるのが、入院日まで1週間を切ってしまう患者さんもいらっしゃいますが、すでに体温を記録されている方もいます。
2つ目は、入院説明を事前学習できる点です。事前学習のメリットとして、病室などに関するご要望やアメニティ関連でパジャマをレンタルするかどうかなどを、ご家族と相談して決めておけます。私たちがご対応する時間が少なくなることもそうですが、患者さんがご家族と事前に話せるのはとても大きいです。
3つ目は、2つ目ともつながりますが、ご家族もポケさぽをご登録できることです。
― 運用としては、外来で「ポケさぽ」のQRコードをご案内・ご登録いただき、後日、患者支援センターにいらっしゃる運用ですか?
はい、手術・入院が決まった患者さんに、外来看護師がポケさぽQRコードを印字したフライヤー(案内用紙)を渡しています。
「普段、LINEをお使いですか?」と声かけしながら、お渡ししています。多くの患者さんかそのご家族が、術前検査を回っている間にご登録してくださっています。
すべての患者さんが後日予約で患者支援センターにいくわけではなく、当日ご案内する方もいます。
また、緊急入院の方や入院中に次回の入院予定か決まっている方には病棟でポケさぽのご案内をしています。
― スムーズな運用でらっしゃいますね。ここまで導線がきれいな運用を構築するのに、導入が大変んじゃありませんでしたか?
私たちは、50床の規模の病院で、スタッフ全員の顔が見える組織です。そこまで運用構築が大変ではなかった印象です。
加えて、タイミングがよかったとは思います。ちょうど病院機能評価を受けるときで、改善活動に力を入れていました。改善活動としてポケさぽを導入し、「入院説明の運用を変える」というムードが病院の中にありました。
右)プロジェクト窓口だった岩立副課長
― 窓口としてプロジェクトをご担当されていた岩立さんはいかがでしたか?
導入当時を振り返ると、ポケさぽというサービスがとてもイメージしやすかったのを覚えています。
加えて「半自動化」と謳っていて、OPEReさんが嘘を言ってないのもよかったです。
窓口としては、ポケさぽ導入による業務効率化のイメージが全体で共有できており、現場のスタッフがとても協力的でやりやすかったです。コンテンツの校正には、患者支援センターの看護師が中心となり、これまで使用していた入院生活のしおりをベースに齟齬がないように確認、修正しました。特に担当した看護管理者は、表現にも注意を払い添削しましたので、OPEReさんにも明確に修正指示をお返しできました。
― 私たちが、みはま病院様をご支援する中で印象的だったのは、個人情報保護についてのコンテンツを作成したことです。
これは、情報管理課の思いが詰まっています。
ただ、その思いをもともとは看護師が伝えていましたが、わかりやすく丁寧にお伝えするのが難しい種類の説明でもあります。
実際の動画より抜粋
私たちとして病院の個人情報保護に関する姿勢を、患者さんに丁寧に示していく必要があると思い、コンテンツにしました。
― ポケさぽ活用を通じて、病院DXについての感想などございますか?
システムを通じて業務を標準化できたのがよかったです。
課題を解決するためにデジタルやシステムの力を使いますが、常に現場のスタッフが介入する必要があるのが医療です。
患者説明において、事前学習や復習ができる環境を用意することは、患者さんと私たちの信頼関係の後押しをしてくれていると思っています。
― 今後のポケさぽの展開について教えてください。
患者さんにメッセージをお送りできる機能をもっと活用しようと思っています。
1週間前に一斉に中止薬の案内をしていますが、認知機能低下がみられない方でも、『うっかり休薬の薬を飲んでしまった』という事例が多くあり、個別で休薬のご連絡をメッセージしようと計画しています。
電話をかけてもなかなか繋がらないという課題もありましたので、それも解決できればと思っています。
ポケさぽの活用を疾患別の検査、治療案内、特に当院の専門である透析治療を受ける患者さんにも活用できないかと思案しています。
― 今回は、突然インタビューに切り替えさせていただき、本当にありがとうございました。病院DXを取り組まれている医療機関様にとって、とても意義あるお話を伺えました。今後ともよろしくお願いいたします。