ポケさぽを導入いただいている聖路加国際病院は、日本看護協会が運営する「看護業務の効率化先進事例アワード2023」において、産科でのポケさぽを活用した妊婦への説明と情報提供について、最優秀賞を受賞されました。この度、受賞に際して、聖路加国際病院の鈴木看護部長と産科で働く助産師のみなさんにインタビューを行ないました。
本編は、後編として、産科で働く助産師のみなさんへインタビューした内容を導入事例としてお届けします。
導入のポイント
聖路加国際病院の産科*では、スマートフォンを使った妊婦への説明と情報提供として、ポケさぽを導入。
週数に合わせた配信を行なうことで、健診にいらした妊婦さんが「LINEで、この案内は見ました」と追加説明が容易に。
事前に動画とメッセージを配信できることで、受診時の質問・意見や問い合わせの電話が減少。
妊婦さん・産婦さんの為になる新しいことを、面白がって取り組むのが病院のひとつの文化。変化に適応しやすい環境を築いてきたことが、今回の導入でも役立った。
お客様情報
聖路加国際病院
女性総合診療部 助産師 黒川様、深山様、田中様、込山様、上田様
― この度は、「看護業務の効率化先進事例アワード2023」の最優秀賞ご受賞おめでございます。受賞を記念して、ポケさぽ導入にまつわるお話をお聞かせください。鈴木看護部長に、導入に至る経緯を伺いました(参照:病院DXの初めの一歩は、妊娠期間の定型コミュニケーションから | 病院リーダーシップインタビュー④ 聖路加国際病院 鈴木看護部長)。
現場でポケさぽを導入してみようと思った背景はありますか?
コロナ禍に入り、私たち助産師が困ったタイミングがありました。それは母親学級が開催できなくなったときでした。
母親学級が開催できない旨を妊婦さんにお電話しようと思ったのですが、なかなか繋がらなかったんです。
患者さんとのコミュニケーション手段が電話だけというのは、本当に大変だなと実感した瞬間でした。
母親学級が再開すると、今度は予約の問題が出てきました。
母親学級は受診日とは別に予約を取る必要があり、なんとか簡単なWEB予約にできないかと考えていたところでした。
そんなときに、ポケさぽのことを看護部長から聞いたので、それらの問題を解消するためにもやるべきだな、と思いました。
― 導入にあたって、大変だったこと・ご苦労されたことは何でしょうか?
納期ですね。
スマートフォン向けのコンテンツをOPEReさんと一緒に作っていくこと自体は、そんなに大変じゃなかったのですが、締切までに内容を確認するのが大変でした。
― コンテンツの確認は、今日ご参加の5人で確認されていたんですか?
産科の助産師スタッフ全員で、確認していました。
みんなのシフト勤務をしながらも、納期と自分のシフトを睨めっこして、コメントをまとめてOPEReさんに送る日々でした。
― スタッフ全員で確認されていたのは存じ上げなかったです…。その節は本当にありがとうございました。
伝えたいこと、スマートフォンで届けたいことは明確にありました。
というのも、私たち自身も、妊婦さんに育てていただいているからです。
日々、妊婦さんたちから多くの質問をいただいていて、私たちが考えてなかった質問を頂くことがあります。
コンテンツの作成では、受診される妊婦さんにご満足いただきたいことと、よく頂く質問などの内容を事前にお伝えしたいという思いがありました。
― 実際に「ポケさぽ」を導入してみて、変化はありましたか?
妊婦さんにとって利便性があがったのだろうな、と感じることがいくつかあります。
ひとつめは、「LINEで、この案内は見ました」と言ってくださる方が増えたことです。おかげで説明不要なこともありますし、追加の説明も容易になりました。
もうひとつは、お問い合わせが全体的に減ったことです。
もともと多かった外来への電話での問い合わせに加えて、健診を受診されるときの問い合わせも、かなり減っています。
ご意見いただくことも減ったので、スタッフの心理的負担も軽減されています。
ポケさぽ導入に合わせて、母親学級をWEB予約制にしたのも大きかったです。
最後に、紙のパンフレットをなくして、ポケさぽからの案内に変更したのも、大きな変化ですね。
当院の助産師が実際に聖路加国際病院で出産したときにポケさぽを使ってみた感想なのですが、「ポケさぽ良いですね。『いま、妊娠何週なんだ!』って思うことがあります」と話していました。週数に応じた通知が実際に機能しているなと感じています。
― 「看護業務の効率化先進事例アワード2023」へのご応募はどういった理由で?
ポケさぽの稼働が開始したくらいのタイミングで、看護部長から「アワードも出してね!」って言われまして、アッハッハッハッハハ(笑)。
締め切り目掛けて、みんなでデータを集計して、資料を作っていった感じです。
― こうやってお話していると、なにかを始めるのに、とてもポジティブなようにお見受けします。それは、師長だけでなく、スタッフみなさんの雰囲気からも。
患者さんの為になる新しいことを面白がって取り組むのが、病院のひとつの文化だと思います。
看護部長もざっくばらんなタイプですし、スタッフもとても協力的です。
やろうと思っていいな!と思ったら、とりあえずやってみよう、という精神があります。それを面白がってやろう、という感じです。
もちろん変化が起きるときは大変です。ただ最終的に、妊婦さん・産婦さんに良いことにつながり、それが実現できることがわかると、ワクワクします。
― 病院の文化なのですね!
ポケさぽについて、実際に実現して嬉しかったエピソードがあります。
週数に応じて配信しているコンテンツの中に、胎動モニタリングについて説明しているものがあります。
そのコンテンツを事前にみた妊婦さんが、こちらが提示する週数より少し早い段階から胎動モニタリングを始めたいとおっしゃられて。
コンテンツの意図を妊婦さんが汲み取ってくれたのは、とても嬉しかったです。
― それは私たちも嬉しいです。
もちろん、新しいことを面白がれるかについて個人差はありますが、
ポケさぽ導入を通して、スタッフは変化していくことが聖路加国際病院の魅力・メリットだと理解しているな、感じます。
いつも新しいことをやっているので、1年後話を聞いてもらったら、運用も全然変わっているかもしれません。また見に来てください!
― ありがとうございます!引き続きよろしくお願いいたします。
前編をまだご覧になってない方は、こちらから
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