導入のポイント
東京北医療センターでは、外来病棟一元化体制で看護部を運営。看護師の業務のスリム化を目的に、ポケさぽの導入を決定。
ポケさぽ導入にあたり、看護部長、病棟師長、内科外来師長、産婦人科病棟師長でチームを編成。入院案内・産科案内においてポケさぽを導入することで、デジタル化を推進。
説明動画はポケさぽで配信するだけでなく、タブレットに入れて病棟でも活用。今後は、外来検査への利活用を進める予定。
お客様情報
公益社団法人 地域医療振興協会 東京北医療センター
看護部長 渡井 恵 様、2階南病棟 看護師長 猫崎 千栄 様、内科外来師長 谷口 恵子 様、4階西病棟 師長 風間 仁美 様
― ポケさぽを導入して3ヶ月、着実に登録者数を増やされています。今日は、導入までのお話や導入してから変化などについて教えてください。
数字としては良いように見えるのですが、病院全体でポケさぽを利用しているというよりは、うまく利用している部署とそうでない部署があるというのが現状ですよ。
産科は、妊娠確定をした初期の妊婦さんだけでなく、後期の妊婦さんにもご登録いただいたので、登録者が多いです。
7月からは、新規の妊婦さんのみが登録するので、もう少し数は落ち着きます。
― 前提の共有、ありがとうございます。詳しいお話を聞いていく前に、ポケさぽを導入するきっかけに戻って話を聞いてもいいでしょうか。
ポケさぽ導入の背景には、看護師の業務をスリム化したいという目的がありました。
東京北医療センターの看護部は、外来病棟一元化の体制で運営しています。
外来病棟一元化について少しだけ説明します。この体制では、限りある看護師を有効に活用し、病棟と外来の管理を一緒にすることで、患者が暮らしの営みを継続することを目的に外来と病棟を一元化し看護援助を行なっています。
急性期病院では、病棟に7対1入院基本料の体制を敷いてしまうと、外来は限られた人数での対応になってしまいがちです。外来病棟一元化により、病棟と外来の看護師の連携を進め、業務効率を実現できるメリットがあります。
反面、病棟を起点に入院案内を行なっている結果として、東京北医療センターでは入院案内が病棟ごとに枝分かれしすぎたという課題もありました。
― ポケさぽ導入時の入院案内の際に、全病棟分の入院案内を弊社にお送りいただいたのには、そういった背景があったのですね。
そうです。ポケさぽを導入するにあたって、まずは全病棟から入院案内の資料を集めて整理することから始めました。
実際に病棟から資料を集めてみると、
事務の方が説明してくれてるけど、看護部は知らなかったこと
ただ渡すだけになっている用紙
工夫して渡している用紙
そもそも渡していることを把握できてなかった栄養の食事表
など、気づきや驚きがたくさんありました。
それらを整理して、OPEReさんに送り、共通部分を抽出してもらい、東京北医療センターの共通版の入院案内を作っていただきました。
― 各部署で最適化されたしまった資料を再整理するのには、実行するチームも重要だと感じます。どのようなチームで、ポケさぽ導入を進められたのですか?
先ほど説明したとおり、外来病棟一元化で看護部を運営しているので、それぞれの役割から師長さんとひとりずつ選びました。
病棟師長ひとり、産婦人科師長ひとり、内科外来師長ひとり、と(加えて、看護部長)。
内科外来師長は病棟を持たない形になっていますが、外来の代表として参加してもらいました。
― チームとして招集された3名の師長さんは、初めご不安などありませんでしたか?
病棟師長 猫崎様)
東京都北区は高齢者の多いので、LINEとの相性はどうなかぁーと正直思いました。その後LINE普及率のデータを見て、これは実現すれば業務改善につながるかも!とも思いました。
産婦人科師長 風間様)
産婦人科としては、ラッキーだと思いました。オリエンテーションの動画化を行なっていたり、マタニティブックという冊子のデジタル化も推進したりしたかったので。
また週数ごとの保健指導は決まった内容も多く、動画にしやすいと思っていました。
内科外来師長 谷口様)
内科については緊急入院が多いのですが、それでも循環器などのパスが適応できる患者さんについては、ポケさぽを使っていけそうだな、と思いました。
― いろんな想いを抱かれながらチームが組成され、全病棟から資料を集めてくださったのですね。実際に、どういった使い方をしているのですか?
病棟師長 猫崎様)
うちは整形外科と消化器内科の患者さんが中心の病棟です。
若い患者さんからは「便利なものがありますね」というお声がけをいただくことがあります。
また、ポケさぽで入院オリエンテーションを入院前に動画でご案内しています。患者さんが入院されたときに「動画を見られましたか?」「見ました」というコミュニケーションになったときは、入院オリエンテーションを割愛できるので、ありがたいです。
― 入院オリエンテーション動画が機能している話を聞けて、わたしも嬉しいです。タブレットもご活用いただいているとか。
病棟師長 猫崎様)
そうなのです、患者さんにLINE(ポケさぽ)を通じてみていただく動画をタブレットにダウンロードして、病棟に設置しています。
動画を見てない方も、入院したらまずはタブレットで動画を見ていただくようにしました。
6月はうちの病棟では15名の患者さんがタブレットで動画をみてくださいました。15分近い動画なので、その時間に他の業務ができるのは大きいです。
― 産科ではどういった使い方をされていますか?
産婦人科師長 風間様)
産科で大きな変化がひとつあります。マタニティブックという冊子を妊婦さん全員に配っているのですが、以前はどうしても保健指導の際にマタニティブックをお忘れになられる方が一定数いらっしゃいました。
ポケさぽからマタニティブックをPDFで閲覧できるようにしてからマタニティブックが手元にない、ということがなくなりました。
出産の準備に必要なものも、スマートフォンから確認できるようになったので、「便利です」というお声をアンケート結果を通じて多くいただいています。
― 産婦人科で運用面で何か工夫されてますでしょうか?
産婦人科師長 風間様)
産科の場合、保健指導が5回あるので、その度に「ポケさぽ登録していますか?」と訊くようにはしています。
婦人科でも、入院決定時にポケさぽ登録用紙をお渡しして、ご自宅で落ち着いてからご登録できるようにしています。
― すばらしい工夫の数々ですね。すべてが順調のようにも見えますが。。。
そんなこともなく、先にお話したタブレットでの運用をすべての病棟で徹底できているわけではないので、まだまだ改善の余地はあります。
内科の予定入院の方の登録促進もこれからです。
― 改善・利用促進に対して、なにか次の一手があるのでしょうか。
次は、外来検査の説明部分に、ポケさぽを導入できたらと思っています。とくに内視鏡についてはポケさぽと相性が良いと思っています。検査前日の絶食や、検査当日の下剤についてなど、伝えることがたくさんありますので。
― 外来検査ですか。私たちも次の導入に向けてしっかりサポートします。また、半年後くらいにお話を聞かせていただけますか?
もちろんです、また来てください。
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