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リマインド機能で、入院前の事前電話を3分の1にして「看護」に集中 | ポケさぽ導入事例 焼津市立総合病院様


導入のポイント

  • 2016年から入退院支援センターを立ち上げた焼津市立総合病院。2018年の入院時支援加算をきっかけに業務範囲を拡大するも、同時に説明量の多さやスタッフのシフトに課題が。

  • ポケさぽのリマインドを使うことで、入院前に電話して体調確認しなければならない患者さんが3分の1になり、時間を有効活用でき、スタッフは「看護」に集中できるように。

  • 呼吸訓練についても動画化することで、スタッフの説明時間を半分にしつつ、患者さんはご自宅で繰り返しご覧いただける運用を構築。


お客様情報

  • 焼津市立総合病院

  • https://www.hospital.yaizu.shizuoka.jp/

  • 病床数:423床

  • 患者支援室 副室長 内藤様、師長 宮崎様、副師長 石井様、看護師 岸本様、平木様


焼津市立総合病院 外観


入退院支援センターの喫緊の課題


― 昨年(2023年)夏の国際モダンホスピタルショウをきっかけに、短期間で「ポケさぽ」を導入・運用開始いただき、本当にありがとうございます。


2023年の国際モダンホスピタルショウで、「こんなところにもDX」の講演を聞いて、「うちの病院でも使える!」と思ったのがきっかけでした。


患者支援室における、入退院支援業務の課題とこうしていきたいという未来の話を、事務部門に掛け合ったら、「すぐにでも入れたほうがいい」という話になり、、、それから予算や契約などの調整を必死に行ないました。


導入を主導した内藤さん


― 病院の他部門を巻き込むほどの熱量だったのですね。ただ、その裏には、喫緊の課題もあった、ということですか?


どの病院もそうだと思いますが、決裁は「良いものは良い。だめなものはだめ。」という感じなので…、がんばりました(笑)


課題をお伝えするまえに、歴史からお伝えすると、

焼津市立総合病院の入退院支援センターは2016年という、入院時支援加算が始まる前から立ち上がっていて、徐々に業務を拡大してきていました。

きっかけは、クリニカルパスが浸透している疾患の患者さんについては、入退院支援センターで説明したい、という声が挙がったことからです。


はじめに泌尿器科の前立腺生検や睡眠時無呼吸症候群のPSG検査の説明からスタートしました。その後、入院時支援加算が2018年に始まり、看護師が専従になり、周術期の口腔ケアの管理や栄養指導も加わり、今のかたちになっていきました。


患者支援室のみなさん

業務を入退院支援センターに集約してきたことによる課題もありました。


入院支援の看護師は、患者さんの増加とお昼時に患者さんが集中してしまう状況から、お昼休みが非常に取りにくい状態になっていました。そしてそのように混み合う時間帯は、患者さんもお待たせしなければなりませんでした。


また、入院案内を請け負う委託会社との話の中で、スタッフ全員が入院説明をすることができなかったり、契約の関係で時間外の対応ができなかったりする点で、患者さんにご迷惑をおかけしてしまうことがありました。


加えて患者さんの視点では、入院決定し入院前検査をたくさん受けられたあとに入退院支援センターにいらっしゃるので、お疲れの方も多く、スタッフからの入院説明が伝わっているかと問われると難しい状況となっていたことも課題となっていました。



呼吸訓練の説明時間が半分に


― 課題のご共有ありがとうございます。その課題に対して、「ポケさぽ」はどのようにお役立ちしたのでしょうか。


ポケさぽを導入して大きな変化は、看護師として、いままで入院時のアセスメントを卒なく流れるようにやっていたところから、一歩踏み込んで「看護」に集中できるようになったことです。


実際に呼吸訓練について説明している様子

ひとつ例を出すとすると、呼吸訓練の動画化です。


いままでは、呼吸訓練を患者さんにA4の用紙でご説明していて、多くの時間を割いていました。患者さんの理解度によっては、説明と機械を試す動作を行ったり来たりして、1回で伝わりきらないことも多くありました。

呼吸訓練を動画化したことで、まず患者さんの理解度があがりました。加えて、患者さんの表情から「自分にもできそう」というのが私たちにも伝わってきました。


体感値ですが、今までA4用紙で説明していたとき20分ほど掛かっていた呼吸訓練の説明が、10分程度に収まるようになりました。



リマインド機能の活用により事前電話が3分の1に


― それはうれしい使い方です。他に、ポケさぽの中で気に入ってらっしゃる機能はございますか?


ポケさぽは、予定日から逆算したリマインド通知を設定して、送ることができます。

私たちは、3日前に、体調の変化がないかの通知をお送りしています。



この機能を使うまでは、全予定入院患者さんにお電話をしていました。

1日8−9件のお電話ですが、お電話がつながらないときは、1患者につき3回はお電話を差し上げています。


ポケさぽを導入してから、この事前電話の件数が、1日3件になりました。つまり3分の1ほどです。

このおかげで、他の業務に集中できるようになりました。



― 先ほども「看護」に集中できる、とおっしゃっていましたが、具体的に何の時間に充てられているのでしょうか?


ひとつは、患者さんとお話しする際に、一歩踏み込んで患者さんのことを掘り下げられることです。今まではいっぱいいっぱいの時間の中で最低限なんとかお話を訊くという形でしたが、時間に余裕が生まれることで、患者さんの家族背景や社会的な役割まで掘り下げて伺えるようになりました。


もうひとつは、患者さんと私たちの間に入っているケアマネージャーさんとの時間です。ケアマネージャーさんと時間が取れることで、情報をより訊けるようになりました。振り返ってみると、他施設との連携する時間が前より増えた気がします。


平木さんと岸本さん


花粉症の時期に、メッセージで対応


― 焼津市立総合病院は、ポケさぽのメッセージ機能もご活用されていますが、実際に使ってみて、いかがでしょうか?


初めはメッセージで患者さんとやりとりするイメージが持てず、この機能をONにするか、悩んだところもありましたが、やってみてよかったです。とくに4月の花粉症の時期に役立ちました。


花粉症の時期になると、そのお薬を飲まれる患者さんもいらっしゃいますが、わざわざ電話で確認するには躊躇もあると思います。

また、花粉症に関する電話を外来で受けたとしても、外来スタッフにも少しばかりはストレスを抱えるかたちになることが想像できます。


そんなとき、ポケさぽのメッセージ機能で患者さんが気軽に質問ができ、病院としてもメッセージであとからお返事できるのはメリットが大きいと感じました。



― みなさん、ペイシェントファーストを貫かれていますね。


入退院支援センターは、「入院するまで私たちが責任をもって対応します」ということを掲げて、働いています。


入院が決定された方の連絡窓口が、外来と同じお電話の場合、「訊きたいことが訊けない」「お電話がつながらない」となってしまっては良くないなと思っています。

なので、ポケさぽのメッセージ機能によって、患者さんが入院するまでの連絡窓口を開けられるというのは大きいです。



苦労話も・・・


― 導入から運用開始までとてもスムーズのように聞こえますが・・・


いやぁ、そんなことなかったです。

一番初めにも話しましたが、熱量を込めてみんなを巻き込んだら、予定より早く進んでしまい、関係者を巻き込むのが大変でした。


OPEReさんが設定した「キックオフミーティング」に、関係者全員がうまく集まれなくて、とても焦っていたんですよ。


当時を振り返る岸本さんと内藤さん


― そんなふうには見えませんでした。


ここにいる入退院支援のメンバーが必死になって、巻き返しました(笑)。

最初はどんなものができるんだろう、とイメージしにくくて、不安もありました。


ただ、導入が進むに連れて、入退院支援センターとオペ室のやりとりが生まれました。

いままでやりとりがなかった部署と、垣根を超えることができて、すごく良かったです。



― まさに、Patient Flow Management(PFM)ですね。


そうですね。入退院支援とオペ室が連携できたので、次は病棟や救急(緊急入院)の流れでも、ポケさぽを活用していきたいと思っているんです。



― それは楽しみです。引き続きご支援させてください。今日はお話を聞かせていただき、ありがとうございました。


ありがとうございました。また焼津に来てください!


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