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病院でプロジェクトを始めるときに気をつける3つのこと | 病院管理職の仕事術①

こんにちは、オペリブログにアクセスいただき、ありがとうございます。

コサコです。

オペリブログでは、医療機関の組織運営や業務改善にまつわるトピックを発信していきます。


わたしは、キャリアの中で過去2つの医療機関で働きました。2つの医療機関ではどちらもプロジェクトベースの仕事が多く、私の専門性のひとつにプロジェクトマネジメントをあげるくらい、プロジェクト単位で仕事を行なってきました。


いまの仕事もITサービスの導入支援という、角度からプロジェクトに関わることが多く、今回は「病院でプロジェクトを始めるときに気をつける3つのこと」をテーマにブログを書こうと思います。


※「この写真、だれ?」って感じですが、ストック写真専用サイト"unsplash"に、 米国​National Cancer Instituteの写真があったので、利用しました。


病院でプロジェクトを始めるときに気をつける3つのこと


いきなり本記事の結論ですが、病院でプロジェクトを始めるときに気をつけることが、3つあります。


  1. プロジェクトの目的と大義を決めること

  2. 適切な関係者に事前に話をしたあと、キックオフミーティングを開催すること

  3. 参加者の積極性を高めるための、コミュニケーションの仕組みをつくること


病院では多くの職種、多くの部署、多くの委員会が存在し、いろんな立場や物の見方があると思いますが、上記3点は私の経験上共通して、気をつけるべきことといえます。



そもそもプロジェクトってなに?


気をつけること3つの詳細を説明する前に、プロジェクトの定義について説明させてください。

プロジェクトの定義は、以下の定義が病院でしっくりくると思っています。

プロジェクトを 2 つの要素で定義しています。「有期的であること」、そして「独自性があること」です。 「有期的」とは、文字通り、期日があるということです。その作業をいつまでに 終わらせなければならないかが決まっている。それが「有期的であること」です。 一方「、独自性」というのは、ほかの定常業務と比べて、何かしら新しい要素が加 わっ ているということです。これまでやってきた仕事の機械的な反復では済まない 作業。 それが「独自性がある」仕事です。この 2 点に適合していれば、その仕事は プロジェ クトであるといっていいのです。 (「Webプロジェクトマネジメント標準」より引用)

繰り返しになりますが、終わりがあって定常的に繰り返さない業務をプロジェクトといいます。



プロジェクトの例


上記の定義を読んでみたものの、小難しくてピンとこない、、、という印象を受けられると思いますので、いくつか病院内でのプロジェクトの例を出してみます。

  • 病院の収支に影響を及ぼすほど、ある診療科の診療報酬の査定額が大きすぎるため、業務フローを見直すプロジェクト

  • 病棟用のエコーがどこにあるのかわからなくなり、研修医が探し回って時間を浪費している問題を解決するプロジェクト

  • CTやMRI、手術用ロボットなどの高額医療機器の購入が、集中してしまう年度があるので、購入を分散させるプロジェクト

上記にあげた例は、定常的な業務ではなく、独自色が強く複数部署にまたがる課題ですが、解決すれば平常運転にもどれそうなものが多いという印象ではないでしょうか。


では、プロジェクトマネジメントをする際に気をつけるべきこと3つを掘り下げていきましょう!



プロジェクトの目的と大義を決めること


プロジェクトを始める際に、一番はじめに行うのは、目的と大義を決めることです。


課題を無茶振りされ、振られた側は「院長に言われたから…」「事務長命令で…」と言いたいこともありますが、そこはぐっと堪えて、目的と大義を言語化し、プロジェクト化しましょう。


目的とは、プロジェクトの最終的なゴールです。

大義とは、プロジェクトを通してそのゴールを目指す理由です。


先に挙げたプロジェクトを例に、目的と大義を考えてみましょう!

  • 課題:病棟用のエコーがどこにあるのかわからなくなり、研修医が探し回って時間を浪費している問題を解決するプロジェクト

  • 目的:研修医が病棟でエコーを利用したいときに、すぐに見つけられる状態を作ること

  • 大義:研修医の時間を無駄にしないだけでなく、患者にも素早く検査を実施できる。さらにはエコーという医療機器が決まったルールで管理されるので、MEがメンテナンスしやすく、用度課(物品管理課)が買い替えの際の調査が容易になる。

もしかしたら、「院長からの命で『研修医の先生が、病棟エコーが散らばってて困ってるからなんとかしてよ』というものだったとしても、上記まで言語化することが大切です。



適切な関係者に事前に話をしたあと、キックオフミーティングを開催すること


プロジェクトの目的と大義を決めたあとは、まず関係者個別に、キックオフミーティングに向けて話をしましょう。


複数部門に跨る課題ほど、キックオフミーティングを開くハードルがあがりますが、何事も初めが肝心。


ときには「そんなことやるなんて、聞いてない!」という人が後から出てくることもあります。

そんなリスクを避けるためにも、事前の声掛けは重要です。


声掛けが終わったら、プロジェクトに関わる人に声をかけてキックオフミーティングを開催しましょう。


秘密のプロジェクトではない限り、キックオフミーティングは関係者であれば誰でも参加できる形にしましょう。 参加者や該当部署が当事者意識を持つことはとても大切です。関係ありそうな部署に声をかけて、できるだけ多くの方に、キックオフミーティングで目的と大義を共有しましょう。



参加者の積極性を高めるための、コミュニケーションの仕組みをつくること


キックオフミーティングを開催する際に、一緒に決めておきたいのは、プロジェクトにおけるコミュニケーションの仕組みです。


コミュニケーションの仕組みとは、以下のようなものです。

  • プロジェクトの連絡、進捗共有、疑問・質問などは、TeamsのXXチャンネルを用いること

  • 議事録は、会議後24時間以内に発信すること

  • 議事録は、誰もがアクセスできる場所(Sharepointや共有フォルダ)にアップすること

  • 会議ができるだけ、パソコンを投影し、リアルタイムに議事録を起こすこと

ありがちなのは、月の第X曜日の、16:30-17:00 で開催。事務局は誰々さん、とだけ決めるケースですが、これではプロジェクトの参加者のコミットメントを高めるのは難しいです。


プロジェクトに関する情報を透明化することも重要です。コミュニケーションもオープンにおこなうことで、互いの進捗状況がわかることで、メンバーの各タスクが前に進みます。

また情報の透明性を担保すれば、コミュニケーションの効率性もあがります。コミュニケーションがスムーズに行えれば、それだけプロジェクトの成功確率も高まります。


たとえ、プロジェクトのメンバー間での立ち話や電話などで決まった内容でも、Teamsのチャットや関係者メールにその内容を共有するのが望ましいでしょう。



まとめ


今回は「病院でプロジェクトを始めるときに気をつけること」をテーマに、記事を書きました。

改めて、プロジェクトを始めるときに気をつける3つのことは、以下のとおりです。

  1. プロジェクトの目的と大義を決めること

  2. 適切な関係者に事前に話をしたあと、キックオフミーティングを開催すること

  3. 参加者の積極性を高めるための、コミュニケーションの仕組みをつくること

ひとそれぞれ、プロジェクトを始めるときの大事なポイントは違うかもしれませんが、この記事がどなたかの参考になったり、ご自身の仕事を振り返るきっかけになると嬉しいです。



参考文献