2024年8月21日、株式会社OPERe(以下、OPERe)は、患者説明システム「ポケさぽ」の導入医療機関を対象に、ポケさぽ第2回ユーザー会をオンラインにて開催しました。
ポケさぽをすでに導入・運用している医療機関の中から、ポケさぽの活用に関して事例発表していただきました。
ご発表者
一般財団法人 住友病院
集中治療(ICU・CCU)部診療主任部長 中本 あい様
病床数 496床
住友病院
医師と看護師がそれぞれ行なっていた術前説明
住友病院での術前説明は、医師と看護師がそれぞれ別々に実施していました。
医師が行う術前外来では、冊子を使って説明していました。
冊子にはイラストが得意な手術室看護師が挿絵をいれてくれたものを、毎年改訂しながら使っていました。
挿絵のおかげもあってか、10−15分かけて行う説明に対して、患者さんからは「よくわかりました」というコメントをしばしばいただいていました。
術前外来用の冊子(発表資料から抜粋)
一方、看護師は、術前外来とは別に手術を受ける方向けの説明を行なっていました。こちらは、患者さんがご入院されたあとに、手術室看護師が病室に伺ってパンフレットやタブレットを用いた動画を使用して説明するものでした。
左)手術室看護師が使っていたパンフレット 右)タブレットで再生していた動画
(発表資料から抜粋)
ポケさぽ導入をきっかけに、麻酔科医と手術室看護師のコンテンツを統合
ポケさぽ導入をきっかけに、患者さんに説明している内容を整理し、麻酔科医と手術室看護師の説明内容を1つにすることにしました。
(発表資料から抜粋)
麻酔科からの説明については、入院までの注意事項や麻酔に関する説明を担当し、手術室看護師からの説明は、持ち物や手術室への向かう際の準備に担当し、ひとつの動画コンテンツを作成していきました。
冊子の際に協力してくれていた看護師さんが、今回も作成に協力してくれ、挿絵を少し新しくすることもできました。
実際に使用しているコンテンツの一部(発表資料から抜粋)
術前説明をコンテンツ化した効果
麻酔科医として、実感している効果が2つあります。
1つは、ルーティンの説明時間を短縮しながら、患者さんそれぞれにあわせた説明を行なったり、質問にゆっくり答えたりできることです。
もう1つは、術前外来の待ち時間を有効に使えるようになったことです。事前に動画を見てきてない患者さんには、待ち時間の間に病院が用意したタブレットで、術前説明の動画を見てもらっています。
看護師としては、コンテンツを見直したことの効果が大きいです。
動画と同じ内容を印刷して説明することで、説明しやすくなりました。また、先にもお伝えしましたが、麻酔科医と手術室看護師の内容が統合されたので、患者さんからの質問に対応しやすくなりました。
術前外来での診察では、待ち合いで動画を見てから診察を受けた患者さんが86% いらっしゃり、一定の効果があったと言えます。
しかし、LINE登録率でいうと、まだまだ改善の余地があり、これからの課題として取り組んでいきたいと思います。
--発表はここまで--
ユーザー会 事例発表 住友病院様
住友病院 集中治療(ICU・CCU)部診療主任部長 中本 あい様の事例発表、いかがでしたでしょうか?
改めて発表をまとめると、ポイントは以下の3点です。
住友病院での術前説明は、もともと医師と看護師が別々に実施していた。
ポケさぽ導入を機に、麻酔科医と手術室看護師の説明内容を1つに統合。
説明内容を統合したことで、
麻酔科医は、ルーティンの説明を短縮しながら、患者さんにあわせた説明を実施。
看護師は、説明のしやすさが向上し、質問に答えられる幅も広がる。
Patient Flow Management の起点である術前外来。そこをテコにして、患者さんへの情報提供のタイミングや流れを変えることで、病院スタッフにも患者さんにもメリットが生まれた事例でした。
ポケさぽ第2回ユーザー会 事例発表では、他の医療機関からの発表もございました。引き続き記事にしていきます。よろしければ、記事の下にある、OPEReメルマガにぜひご登録ください!